胡蝶蘭
もっと楽しめる!胡蝶蘭の上手な株分け方法
お祝いで胡蝶蘭をいただくことがあると思いますが、きれいな胡蝶蘭を自分でも育てて、もっと長く楽しむことができたらと思ったことはありませんか。実は、時期や方法を知れば胡蝶蘭は株分けすることができ、美しい花をまた楽しむことができます。
今回は、胡蝶蘭の株分け方法についてご紹介していきます。
株分けできる時期
本来、胡蝶蘭は熱帯地方が原産のため、温かく高い湿度を好みます。そのため株分けの時も気温が18℃以上になる、春~初夏あたりで行うと良いでしょう。15℃を下回ると、生育状態が悪くなるため、枯れる原因となるので気を付けましょう。
株分けの方法
胡蝶蘭は、一本の株に対して一つの花芽しか生やさないため、花を増やしたいという場合には株分けが必要になってきます。そして、その株分けの方法は「子株を分ける」という方法と「高芽を分ける」という方法の2つがあります。
子株を分ける
塊根植物は非常に成長速度が遅く、1年で数ミリ程度です。長く同じ形を楽しむことができるということと、生育環境によっては数十年育てることができるため、ずっと成長を見守り続けることができるという点でも人気があります。子株とはその名の通りで胡蝶蘭の子供の株ということになります。胡蝶蘭にとって良い環境であれば子株ができます。子株ができたらすぐ親株から取ってしまわずに子株の葉が2~3枚程度まで増えるのを待ちましょう。葉が少ないと株分けしてもうまく育たない可能性があります。ただし、親株が枯れ始めていたらすぐ植え替えするようにしてください。
【子株の株分けの手順】
①鉢から胡蝶蘭を取り出し、古い植え込み材を取り除きます。
②子株を根元からハサミでカットします。このとき、ハサミをライターで消毒しておくと病気にかかりにくくなります。
③子株の根に十分水を含ませた植え込み材(水苔)を巻き付けます。
④別の鉢に植え付けたら、余った部分を覆うように植え込み材を入れていきます。
子株の株分けをし終えた後は、7~10日ほどの間水やりは控えて環境になじませるようにしましょう。
高芽を分ける
高芽とは、本来胡蝶蘭の花が咲くはずだった茎から根と葉が生えてきた状態のもののことを言います。高芽を切り離す目安としては、根は5センチ以上、葉は3枚以上が目安です。今回もカットする際のハサミは消毒しておくほうがよいでしょう。
【高芽の株分けの手順】
①親株とつながっている高芽をハサミでカットします。そのときに、高芽のある方の茎を3~5センチ残すようにしましょう。
②子株の根に十分水を含ませた水苔を巻き付けます。
③別の鉢に植え付けたら、余った部分を覆うように水苔を入れていきます。
株分け後、花芽が出るまでには3~4年かかります。まずは葉っぱが育つようにじっくり見守っていきましょう。
株分け後の注意点
株分け後に植え替えをしない
株分けは植物にとって体力を使うため、ストレスにもつながります。一度株分けで鉢を変えているので1~2か月は、植え替えを控えるようにしてあげましょう。
水苔の水分に気を付ける
直接水やりをするのではなく、水苔を湿らせることで水分を与えます。しかし、与えすぎると根腐れを起こし、乾燥しすぎると枯れてしまうので水分量に気を付けましょう。
置き場所にも注意
株分けをしてから半年ほどは日当たりがよく、風通しの良い場所においてあげるようにしましょう。直射日光は葉焼けを起こすため避けましょう。
まとめ
胡蝶蘭の栽培は難しいと言われていますが、株分けも同様に難易度の高い作業が多いです。しかし、株から育てた胡蝶蘭が花をつけたときには、苦労の分喜びもひとしおです。ぜひお持ちの胡蝶蘭に子株や高芽ができた時には挑戦してみてください。